●維新の会「伸張」に関するつぶやき(2)

2 維新新自由主義的緊縮政策の帰結

★医療福祉等の支出削減にかかわらず大幅な借金増加

⇒ 財政再建のための緊縮政策として、府民の生活に直結した医療、福祉、教育、子育て、中小企業支援などの財政支出をつぎつぎと削減した。その額は、2008年からの7年間で1551億円、年間で平均220億円の支出削減。
⇒ しかし、府民生活を支える財政支出をカットしたのに、大阪府の財政は再建どころか、いっそう危機を深刻化させ、この同じ7年間で、負債=府の借金を残高を5兆8288億円(2007年)から、6兆4136億円(2014年)へと、5848億円も増加させてしまった。
⇒ 年間220億円もの支出カットを強行しながら、なぜ膨大な借金を重ねたのか
→ 府の収入、つまり税収が劇的に減少してしまった。
→ 税収減少の原因は、府民の生活や大阪経済を支える中小企業を支援する
財政支出を大幅にカットしたため、府民の消費は冷え込み、中小企業の経
営は悪化して、この7年間大阪経済はますます停滞と深めた。
⇒ 維新政治は、新自由主義的「改革」の絵に描いたような失敗例。

★起死回生としての「大阪都構想」「夢洲カジノ万博」

⇒ 維新政治による大阪府の深刻な財政危機と大阪経済の停滞を糊塗するために、起死回生の打開策として打ち出したのが、「大阪都構想」と「夢洲カジノ万博」です。
→ 「大阪都構想」は、維新政治が新自由主義的緊縮財政という自らの失政で府財政に開けた年間2200億円税収減という大穴を、大阪市を廃止し・解体することで埋め合わせる、という狙いがあります。
→ さらに問題なのは、維新政治がみずから招いた大阪経済の長期停滞をカジノと万博によって打開しようというその頽廃ぶりです。

3 コロナ・パンデミックと大阪維新政治

★脚光を浴びる吉村府知事

⇒ 安倍政権の愚策ともいえるコロナ対策のあまりにひどい体たらくが引き立て役となって、連日メディアに登場する吉村知事が脚光を浴びることになった。
⇒ 大阪独自の施策を具体的に提起するのではなく、パフォーマンスとしての政府施策への不満、批判でしかなかったが、安倍政権の無策であるがゆえに政府施策への批判は一定の説得力があり、吉村府知事の「人気」を高めることにつながった。
⇒ 維新として大阪の施策として提起されたのは、唐突の「阪神間往来自粛要請」、防護服の代用としての「雨合羽募集」、さらにポビドンヨード入りうがいクスリ「イソジン騒動」(イソジンがコロナに有効とのうそ)であり、これまた愚策のオンパレードであり、吉村府知事・松井市長とも何らその「効果」の説明も、「イソジン騒動」への謝罪もなかった。このように嘘も平気でつき、謝罪もしないのは他の問題においても維新の常套手段である。

★大阪におけるコロナ対策の逼迫原因

⇒ 新自由主義による維新政治の中で、貧困と格差の拡大、公衆衛生や医療体制の絶望的な脆弱化が大阪におけるコロナ対策の遅れをもたらした。
⇒ 維新政治の12年間で、府下の公務員の病院職員数は50.4%も削減され(全国平均は6.2%)、衛生行政職員も4分の3にまで減らされた。
⇒ さらに、「二重行政の解消」の名のもと、「都構想」を先取りするかのように住吉市民病院を廃止するとともに、PCR検査などを担うべき府立公衛研と市立環科研を統合し、研究員や職員を3分の2まで削減した。


※ 橋下氏の「自己批判」(ツイッター)
病院職員の大幅削減等々について、「徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います。保健所、府立市立病院など」「有事の際の切り替えプランを用意していなかったことは考えが足りませんでした」と橋下氏はツイッターに書き込んでいるが、松井・吉村氏からは反省の弁はいっさいない。

★大阪府のコロナ死者数は全国で断トツ

⇒ 前述しているとおり、維新の新自由主義的「改革」により、大阪における医療や公衆衛生の現場が疲弊し、それによって全国最悪の医療崩壊と感染拡大がもたらされた。
⇒ 大阪府の100万人当たりのコロナ感染者数は、2022年4月現在で約515人であり、全国平均の約218人の2.4倍と全都道府県中で断トツの一位
⇒ 大阪市にいたっては、約660人で全国平均の3・0倍にも上っている。
⇒ 吉村府知事は、メディアを有効に活用し、無策の安倍政権の攻撃の隙をみつけ、それを攻撃することによって「人気」を得ているが、維新政治が医療崩壊をもたらした結果、大阪がコロナ死者数で全国一位であることの反省も事実も明らかにしていない。

★維新は、モンスター的集票マシン

⇒ 維新は「風」だのみのポピュリストではない。堅い組織票を誇る組織勢力であることをきっちり認識することが重要。
⇒ この組織票の集票マシンとなっているのが、大阪府下において239名(2021年11月15日現在)にものぼる地方議員たちである。
⇒ 「産経新聞」報道によれば、各議員に1人1日600電話、300拍手、10辻立ちのノルマを課せられているとのことである。
⇒ この239人の地方議員たちが、1日600本の電話を掛ければ1日あたり14万本あまり、衆議院総選挙期間の12日では、約172万本となる。この数字は、維新の比例得票数と奇しくも付合する。

★橋下氏の「政権奪取論」の怖さ

 前のブログの先頭に記載しておりますが、再度、橋下氏の「政権奪取論」の怖さを掲載しておきます。
⇒ 橋下氏の著書「政権奪取論」(朝日新書)では、「きれい事無用、政治の本質は敵との対立だ」、「自分の価値観や政治信条などは政権を取ってからしか実現できない。まず、政権を取ることことが重要」、「今のご時世、政治家が個人の思いを語ったところで、有権者は誰も振り向かない。有権者が引きつけられるような日本の新しい道、選択肢を熱く語るべきだ。そのためには、徹底した『政治マーケティング』が必要になる」と記述している。
 要するに選挙においては徹底した「大衆迎合」で、自らの主張などはいう必要がないと言うことであろう。
⇒ そして、極めつきは「現実の課題に対応するために、これまでの主張に反することを、どう有権者にバレないようにやるかという政治技術-政党が持ち合わせなければならない最も高度な政治技術」だと説いている。

 

 以上、「日本維新の会をどう見るか」第一章の要約抜粋です。
 これに続き、第2章「維新政治をめぐる政策的争点」、第3章「維新政治、『改革』の幻想と実態」が提起されています。
 第2章では、大阪維新が進める学校・保育所の統廃合問題、「大型開発」(夢洲・カジノ)問題、そして「都構想」の問題点等を具体的に提起されています。
 第3章では、大阪で維新が実際に行ってきた施策や言動を振り返りながら、その本質を明らかにしつつ、なぜ大阪の有権者は維新を支持するのかいう疑問に応えようとしています。3章では、「維新のフェイク」の数々も紹介されており、こんなことをよく平
気でテレビなどで発言できるなと驚いたことを1つだけ紹介しておきます。

★「退職金ゼロ」のウソ
 維新が実践した「身を切る改革」として常に語られるのが、「退職金ゼロ」です。
 松井大阪市長は、総選挙での「政見放送」でも「退職金なんてない」と語りました。しかし、これは大ウソ・フェイクであり、「退職金ゼロ」の真実は下記のとおりということです。本当にこのようなウソをへいきで、しかも「政見放送」で言い切れることに怖さを感じます。
 「退職金ゼロ」の真実は、確かに退職金制度を廃止しているのですが、その支払われるはずの退職金を4年間の毎月の報酬に分割して上乗せしているのです。これが一時金にも跳ね返り、実際には348万円の増収となっているとのことです。
 このような「ウソ」をへいきでならべたて、なにがなんでも議席を確保さえできれば勝利であるとの上記の橋下氏の「政権奪取論」が背景にあるのは間違いありません。
その他維新のフェイクの具体例も第3章に記載されています。

 以上、「日本維新の会をどう見るか」の第1章の簡単な要約抜粋を行い、書籍紹介をさせていただきました。
 トランプ前アメリカ大統領、フランス極右のル・ペン氏と同様「不寛容なポピュリズム」である維新が衆議院・参議院選挙での「躍進」により大阪地域政党的存在から全国的な組織へと「飛躍」してきています。その意味では全国的な問題として維新をどう位置づけ、どのように維新と向かい合うのか(対決するのか)が問われていると思います。
 ヒットラー・ナチスも軍事クーデターのように軍の武力で強引に政権を獲得しファシズム体制を築き上げたのではありません。多くの浮き沈みを繰り返しながら、国民の即時的な欲求や要望を組織し選挙で国会の多数派を占めるという「正当な民主主義手続」で政権を獲得しています。
 維新の創設者でもあり、今も大きな影響力を持っている橋下氏の上記の「政権奪取論」で展開されているように、政権を執るまでは大衆迎合に徹し、政権を執ったなら「民主主義は多数決」として選挙中に主張した政策等に反したとしても好きなように政策を展開する、という主張は、どうしてもナチスの政権獲得の教訓から大きな危惧と不安を覚えます。
 そのような意味でも、維新を知ることは重要ではないかと考え、これからはじめようとしているブログの最初に以前の書籍紹介を転載しました。

                                    以 上

PAGE TOP