●そぼくな疑問と批判(「北朝鮮」の核武装に関して)

<疑問>

 「北朝鮮」のミサイル発射が繰り返されており、核爆弾もすでに配備されているとも言われています。
 そのことも含め、国連決議に基づき「北朝鮮」とのほとんどの貿易が禁止されるような「制裁」が課せられ、日本政府もその「制裁」に加わっています。
 私も、「北朝鮮」の核武装化には絶対反対です。もし核爆弾があるなら即刻廃棄し、さらなる生産・開発もすべきではないと思います。
 その理由は、「核と人間は共存できない」、「核爆弾」も「原子力発電」も絶対反対という立場であるからです。

 アメリカなどは、世界中の人間を何度も殺せるほどの核爆弾を保有しており、そのアメリカが「北朝鮮」の核保有は許さないと「制裁」を主導しているのです。
 繰り返しになりますが、私はいかなる国も核保有は許されないという立場ですが、核を「持ってもよい国」「持ってはならない国」とに分けること自体、大きな誤りと考えています。
 アメリカ、ロシア、中国等の大国と言われる国家は核保有をゆるされ、「北朝鮮」のような「小国」は持ってはいけないなど、国家の主権も認めない暴論でしょう。
 少なくとも核保有国が「北朝鮮」の核保有を認めないと制裁等をするならば、自らの核を廃棄すべきです。すぐに廃棄ができないとしても最低限廃棄に向けての道筋を示して他国の核廃棄を求めるべきです。

 「北朝鮮」は「ならずもの国家」であるから核保有は許されないということもいわれています。しかし、アメリカが主導し当時のフセイン政権の壊滅、国家そのものの破壊へと突き進んだイラクへの武力侵攻は、「大量破壊兵器をイラクが持っており、それを使用する可能性がある」ことを大義名分にしていましたがそれがまったくのウソであったことが明らかになっています。まさにアメリカこそ「ならずもの国家」です。
 さらに、イスラエルのパレスティナに対する対応は、まさに「ならずもの国家」といえるでしょう。そのイスラエルも核を保有していると言われていますが、査察実施、制裁の実施は行われていません。

 日本は国内にアメリカ軍の基地もあり、アメリカの「核の傘」に入っているとの問題もありますが、一応核を持たない国として「北朝鮮」に対し核廃棄を求め、制裁する「資格」があるともいえるでしょう。しかし、それを主張するならアメリを含め核保有国に対して核廃絶を求め、核廃絶に応じないなら国連にアメリカ等の核保有国に対する「制裁」を求めるべきことになります。「北朝鮮」のみに核廃絶を求め「制裁」を実施することは「何の大義もない」といえると思います。

<批判>

 以上のような「北朝鮮」に対する核保有を許さない制裁実施に対し、日本の(他の国もそうですが)新聞やテレビ等のメディアはそれを当然のことのように報道しています。
 しかし、上記のとおり、核を「持ってもよい国」「持ってはならない国」と選別する根拠などありません。核保有などは絶対反対ですが、主権国家として「持つ」「持たない」はその国が自主的に決定すべきことです。
 それゆえ、あえて言えば、「北朝鮮」に核廃棄を求めるなら、すべての国の核保有禁止を求めなければならず、アメリカ等の核保有を認めるなら、「北朝鮮」を含め、ずべての国の核保有を認めるべきとなります。

 難しい理屈はいらないのではないでしょうか。簡単かつ当たり前のこととして、核をもつ国が他の国に対して「核保有禁止」などとはいえない。これは、ある意味では一般常識として考えればすむことです。
 この極めて常識的なことを指摘せず、各メディアは核廃棄に応じないことを「北朝鮮の蛮行」として「北朝鮮」批判を続けています。
 これでは、ジャーナリズムの「死」といわれてもしかたないのではないでしょうか。

 私としては、「北朝鮮」の核保有に絶対反対です。しかし、日本政府やメディアの一方的な「北朝鮮」批判には納得することはできません。それゆえの「つぶやき」です。
  

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